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仙台地方裁判所 昭和51年(ワ)912号 判決

原告

水間勝久

被告

千葉雪磨こと千葉雪麿

ほか一名

主文

被告両名は各自、原告に対し金二一九万四、〇三四円および内金一八九万四、〇三四円に対する昭和四八年一〇月七日より完済に至るまで年五分の割合による金員の支払をせよ。

原告その余の請求を棄却する。

訴訟費用はこれを五分し、その四を原告の、その余を被告両名の各負担とする。

この判決は原告勝訴部分に限り仮に執行することができる。

事実

一  当事者の申立

原告

被告らは各自、原告に対し金一、〇〇〇万円および内金九一〇万円に対する昭和四八年一〇月七日より完済に至るまで年五分の割合による金員の支払をせよ。

訴訟費用は被告らの負担とする。

仮執行宣言。

被告ら

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

二  請求の原因

(一)  昭和四八年一〇月六日午後二時二〇分頃、宮城県桃生郡雄勝町大字小島字和田一二番地先路上で、原告運転の自動二輪車が、対向して来た被告千葉憲彦(以下被告憲彦という)運転、被告千葉雪麿(以下被告雪麿という)所有の普通乗用車(以下被告車という)と衝突した。この事故の状況と原因は次のようなものである。

本件事故現場付近は見とおしが悪く幅員の狭い山道であつて、原告からみて上り坂であるうえ右曲りのカーブになつており、そこにはカーブミラーが設置されている。原告と訴外岡芳男(以下訴外岡という)とはそれぞれ自動二輪車を運転し、訴外岡が先行車となり原告がその後に続いてこの坂道を登つて右のカーブ地点に向つて進行して行つた。一方、被告車は反対方向たる山の上の方から下つて来て事故現場よりもつと上の方にある別のカーブを曲つて本件事故現場たるカーブ地点に向い坂道を下つて進行して来た。

ところで訴外岡運転の先行二輪車は時速約四〇キロメートルの速度で本件事故現場手前の上り坂を進行し、本件事故現場になつたところのカーブミラーのある右曲りの急カーブにさしかかる頃には時速約二〇キロメートルに減速しておりカーブミラーに対向車は見えなかつたのであるがカーブを曲り終える頃に約六四メートル前方の別の左カーブ(同人から見て)の坂道を下りてくる被告車を発見したので、速度を更に落し、時速約一五キロメートルで進行し、一方被告乗用車は時速四〇キロメートル位の速度で進行して来て両車はすれ達つたが、被告車はその直後に一度ブレーキをかけたもののあとは減速した程度で本件事故現場たるカーブにさしかかつた。

一方原告はその前に訴外岡運転の先行二輪車の後方約一〇メートルのあたりを追従して行つたが、訴外岡の車両が本件カーブを曲るときにはその七〇メートル位後方に離されていた。そこで原告は上り坂でもあり訴外岡に追いつこうとして時速約五〇キロメートルの速度でほぼ道路中央付近を進行して登つて行つた。そして本件カーブが急カーブであるため、その約一〇メートル位手前で時速約二〇キロメートルに減速しつつカーブミラーを見たのであるが対向車の姿は見えなかつたのでそのまま進行し本件カーブを曲りかかつたところに、前述のようにして下つて来た被告車を僅か二、三メートル前方に発見し、驚いて急ブレーキをかけようとしたがその暇もなく、原告バイクの前ホーク右側、ガソリンタンク右側ならびに原告自身の右大腿および下腿部に被告乗用車の右前部ライトパネル付近が衝突し、原告はその衝撃で大きく跳ね飛ばされて転倒した。

(二)  以上の事実に基いて原告と被告憲彦との過失割合を考慮するならば、被告憲彦にも見通しが悪く幅員の狭い山道の急カーブを曲るに際し、既に右カーブの手前で訴外岡のバイクとすれ違つていることから、他に後続車がないかどうか一段と前方に対する注意を深めつつ、いかなる事態にも対処できるよう最徐行して進行すべき注意義務があつた。しかるに被告憲彦は右の注意義務を怠り若干減速した程度で進行したため原告バイクに衝突したものである。

同人の右の過失はその運転した車両が原告バイクに比べていわゆる優者の危険を負担すべき四輪車であることをも斟酌すると、どんなに控え目に評価しても六割を下らないというべきである。

(三)  本件事故により原告は右大腿骨中央部・右大腿骨膝顆部・右下腿骨中央部多発骨折、骨盤挫傷、頭部外傷、外傷性シヨツク等の傷害をうけ、入院期間合計一六三日、通院期間合計五二四日をかけて治療を受けたが、昭和五〇年八月二三日症状固定し、後述のような著しい機能障害を残し、以下の損害を受けた。

(四)  本件事故は、被告憲彦の過失によつて惹起されたものであるから同人は民法第七〇九条所定の不法行為者として、また被告雪麿は本件時自己の所有にかかる加害車両を息子の憲彦が運転するに任せもつて自己のため運行の用に供していた者であるから自動車損害賠償保障法第三条所定の運行供用者として、各自原告が被つた全損害を賠償すべき義務がある。

(五)  損害の内容

(1)  治療関係費 合計六四万二、八八八円

雄勝町国保病院分

入院費 三〇万一、二八〇円

輸血・点滴関係費 五、二〇〇円

給食費・ガス使用料 二、八五〇円

転院時自動車使用料 三、〇〇〇円

文書料 三、〇〇〇円

石巻赤十字病院分

入院費 二七万〇、七八〇円

通院費 二万三、一九八円

義肢購入費 四万一、六五〇円

(2)  付添看護費 一四万六、〇〇〇円

原告は、受傷当日から昭和四八年一一月三〇日まで五六日間と昭和四九年三月二七日から同年四月五日までの一〇日間および同年一二月一七日から同年同月二三日までの七日間、それぞれ介添を要する状態であつたところこの付添看護には原告の母等の近親者が当つたので、その一日当りの付添看護費は金二、〇〇〇円とするのが相当である。

従つて右会計七三日間分のそれは、一四万六、〇〇〇円である。

(3)  入院諸雑費 八万一、五〇〇円

入院期間中一日につき平均金五〇〇円の一六三日分。

(4)  通院交通費 二万九、六〇〇円

実通院日数三七日分の交通費は二万九、六〇〇円である。

(5)  後遺症による逸失利益 六三二万五、八二四円

原告は、昭和五〇年八月二三日症状固定し、右膝関節に著しい機能障害を残した結果、右膝が充分に曲らないため正座ができず、階段の昇降が極めて不自由となつただけでなく、ちよつと歩いただけでも疲れ易い状態になつてしまつた。

このため同年一〇月一六日身体障害第五級と認定され、身障者手帳の交付を受けたが、これは「一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの」として、自賠法施行令別表一後遺障害等級表の第一〇級一〇号に該当する。しかもこれは将来に亘り機能回復の見込みがない。そして労働能力喪失率は二七パーセントを下らない。

原告は、本件時高校二年生(一七歳)であつたが、突然の事故により後記のごとく休学と留年を余儀なくされ、未だ高校を卒業できずにいる。しかし若し本件事故に遭わなければ昭和五〇年三月には卒業し、同年四月からは毎年少くとも昭和四九年度賃金センサス第一巻第一表の産業計・企業規模計・新制高校卒業男子一八歳労働者が得た左記平均賃金を下らない収入を得ることができた筈である。

75,200円(月間決つて支給される現金給与額)×12(ケ月)+84,100円(年間賞与その他特別給与額)=986,500円

原告は身体健康な一七歳の男子であつたから、少くとも六七歳まで就労することができると考えられる。

以上により原告が後遺症により喪つた得べかりし収入の現価総額を算出すると、左記計算のとおり六三二万五、八二四円となる。

986,500円×0.27×(24.7019-0.9523)=6,325,824円

※ 17~67歳 50年の累積ホフマン係数……24.7019

17~18歳 1年の〃……0.9523

(6)  慰藉料 三五〇万〇、〇〇〇円

原告は、前記のとおり入院約五・四ケ月、通院約一七・五ケ月に及ぶ重傷を負い、治療の限りを尽したにも拘らず労災第一〇級に該当する後遺障害を残す身体障害者となつてしまつた。これによつて原告が受けた精神的肉体的苦痛は甚大であり、その慰藉料は控え目にみても三五〇万円を下らない。

以上損害額の合計は一、〇七二万五、八一二円となる。

(六)  原告は、本件事故に関し自賠責保険から後遺症補償も含めて金一五一万円の支払を受けた。

従つて損害残額は九二一万五、八一二円となる。

(七)  被告らは、損害を賠償しないので原告はやむを得ず本訴を提起することにしたが、訴額が大きいことや訴訟の複雑な手続にうといことを考えて、これを原告代理人に一任した。そしてその際着手金および報酬として九〇万円を支払う義務を負つたがこれまた本件事故による損害である。

従つて弁護士費用も含めた損害残額は一、〇一一万五、八一二円である。

(八)  よつて原告は、被告らに対し一、〇〇〇万円(端数切捨て)とこれから弁護士費用を除いた九一〇万円に対する本件事故発生の翌日である昭和四八年一〇月七日以降完済に至るまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金とを支払うよう求める。

三  請求の原因に対する答弁と被告らの主張

(一)  請求の原因(一)記載の日時場所において原告運転の自動二輪車が対向して来た被告車(被告憲彦運転、被告雪麿所有の普通乗用車)に接触したこと、本件事故現場付近の道路状況が原告主張のとおりであること、以上は認めるが、その余は否認する。事故の状況と原因は次のようなものである。

被告憲彦は、本件事故現場付近の道路状況をよく知つていたものであつて、そこが危険な急カーブであり、進行方向にむかつて相当急な下り坂であり、又カーブもあつたので、二段ブレーキを踏んで速度をおとし、道路左側を徐行して現場にさしかかつた。そして、本件現場に設置されているカーブミラーに一台の自動二輪車(訴外岡運転車両)がセンターラインをこえて対向してくるのが見えたので、とつさに左側にハンドルを切り、カーブの曲り角である道路左端に停車した。右の自動二輪車との接触は危く避けた。

しかし、右の自動二輪車にすぐ続いて、原告の自動二輪車が後続して来たのであり、そのカーブの曲り鼻でセンターラインを大きく割り、つまり停車中の被告車の前バンパー右端にひつかゝる形で接触し、大きくはずんで転倒したものである。

(二)  請求の原因(二)の主張は否認する。被告憲彦には何らの過失もない。

本件事故は、原告がカーブミラーにも全然注意せず(カーブミラーを注視すれば必ず被告車がミラーに写つたはずであるが、原告は何ら認識していない)道路のセンターラインを割り、被告の歩行車線内に侵入して来たことによるものである。

原告は、被告憲彦に事故の発生を未然に防止する注意義務があつたというが、対向車が危険なカーブをセンターラインを越えて進行して来る場合、どのような注意を払つても衝突を防止し得ないものであり、被告憲彦に対し、これ以上の具体的注意義務を負担させることは不可能である。事故発生後原告は被告等に対し、一度も示談交渉をしないばかりでなく、請求もしてこなかつたのであり、かえつて被告車の修理代を原告の両親が支払つたのである。そして、被告憲彦は刑事上の処分も行政上の処分も受けなかつたし、家庭裁判所も原告の自損行為として、事件を処理している。

(三)  請求の原因(三)は不知。

(四)  請求の原因(四)のうち被告雪麿が運行供用者、被告憲彦が運転者であることは認めるがその余は否認し、損害賠償義務のあることは争う。なお、本件普通乗用車は、被告雪麿が昭和四八年二月末頃に新車で買受けたものであつて構造、整備は完全であつた。

(五)  請求の原因(五)は争う。同(六)は認める。同(七)および(八)は争う。なお、請求の原因(六)の自賠保険の適用については、原告の父親からの強い要請もあり、原告の救済のため、その利用に被告等は協力した。

しかし、被告等が不法行為責任又は運行供用者の責任を認めてのことではない。

四  証拠〔略〕

理由

一  昭和四八年一〇月六日午後二時二〇分頃、宮城県桃生郡雄勝町大字小島字和田一二番地付近の坂道において、訴外岡が先行車となり、原告がその後からいずれも自動二輪車を運転して坂道を登つて来たこと、また被告憲彦運転、被告雪麿所有の普通乗用車が対向して坂道を下つて来たこと、本件事故現場は原告からみて右(被告憲彦からみて左)に曲つている見とおしの悪い道路であつてカーブミラーが設置されていること、以上の事実は当事者間に争いがない。

二  いずれも成立に争いのない乙四、六および七号証、証人岡芳男の証言とこれにより真正に成立したと認められる甲一七号証、原告、被告憲彦各本人尋問の結果(いずれも後記措信しない部分を除く)を総合すると、本件事故現場付近の道路幅員は約四・五メートルで舗装されており、被告車は車幅一・五八メートルであること、被告憲彦は被告車を運転して道路中央より左側部分を時速四〇キロメートルで進行しながら本件事故現場付近のカーブにさしかかつて時速三五キロメートルに減速したとき、カーブミラーに対向して来る訴外岡の自動二輪車を発見したので急制動の措置にとりかかつたが、一方訴外岡においてもカーブミラーに被告車を発見してハンドル操作をしたため両車はすれ違つて衝突を避けたこと、その訴外両運転自動二輪車の後に続いて原告運転の自動二輪車が事故現場に接近して来たのであるが、被告憲彦においては今すれ違つた訴外岡運転の自動二輪車に気をとられてカーブミラーに対する注視を怠つたため原告運転車両が登つて来るのに気付かず、また原告においては先行の訴外岡運転車両に相当引き離されていたためこれに追いつくことに気をとられて時速五〇キロメートル位の高速度で道路中央付近を進行し、またカーブミラーを一瞥したものの注視しなかつたため被告車に気付かず、結局両車は約五メートル位の至近距離になつてお互を発見し、衝突回避の措置が間に合わないままに原告車右前部付近と原告の右足とが被告車両右側面前方部に接触して原告が道路上にはねとばされたものであること、このときの両車の速度は、被告車がかなりの減速状態になつていたが原告車は時速五〇キロメートル位のままであつたこと、以上の事実が認められ、原告、被告憲彦各本人尋問の結果中右認定に反する部分は措信できない。

右の事実にてらしてみるとき、本件現場付近の坂道は、対向車同志が円滑にすれ違うためにはお互に減速してハンドル操作をするなど避譲しあわなければならない道路であり、被告憲彦においてはカーブミラーをよく注視すれば原告車両が右のような状態で対向してくるのを認識し得たし、これを認識していた場合には自己車両をもつと左に寄せて警音器を鳴らすなど危険回避の措置をとる義務があつたもので、カーブミラーに対する注視を怠つたがために危険を予知できず従つてこの措置もとれなかつたということになるから、事故が不可抗力ということはできず、過失責任を否定できない。刑事、行政の関係で不処分になつたということはこの認定と矛盾するものではない。一方、原告においては、道路左側を進行せず、見とおしの悪い道幅の狭いところを時速五〇キロメートルの高速で走行し、しかもカーブミラーを注視しなかつたという不注意があつてこれが本件事故の大半の原因をなしているから、本件事故については被告憲彦以上の過失責任がある。そして双方の過失割合を比較すると、原告が六・五、被告憲彦が三・五とするのが相当である。なお原告は「優者の危険負担」を主張するが、被告車が普通乗用車であるから、原告車が足踏自転車とか原付自転車ならともかく、自動二輪なのであるから、本件についてこれを適用するのは相当でないと解する。

三  成立に争いのない甲二ないし五号証、原告本人尋問の結果によると、本件事故により原告は右大腿骨の中央部、膝顆部および右下腿骨中央部に多発骨折、骨盤挫傷、頭部外傷、外傷性シヨツク等の傷害を受け、治療のため四回合計一六四日の入院と三期間合計五二四日の通院をしたことが認められ、いずれも成立に争いのない甲六号証、七号証の一ないし五、八号証の一ないし七、九号証の一、二、一〇号証、一一号証の一ないし七、一二号証の一ないし二五、一三号証の一ないし三、一四号証の一ないし九、一五号証の一、二、一六号証、原告本人尋問の結果によると、治療関係費用として原告主張の六四万二、八八八円を下らない金額を支出したことが認められるほか、付添看護費として一四万六、〇〇〇円、入院諸雑費として八万一、五〇〇円、通院交通費として二万九、六〇〇円の各損害があつたとする原告の主張はいずれもこれを是認でき、これに反する証拠はない。そしてその合計は八九万九、九八八円となる。

四  成立に争いのない甲五号証、原告本人尋問の結果によると、原告は本件事故による傷害の治療は終了したものの、右膝関節部について膝が充分に曲らないこととすぐ疲れ易くなるという機能上の後遺障害を残して身体障害五級と認定されたことが認められるが、これは自動車損害賠償保障法施行令後遺障害等級表一〇級一〇号に該当するもので労働能力喪失率が二七パーセントであると認められる。

ところで、成立に争いのない甲一号証、原告本人尋問の結果によると、原告は本件事故当時一七歳の高校二年生であつたから、本件事故に逢わなければ昭和五〇年三月に卒業して同年四月からは一八歳で就職し、昭和四九年度賃金センサスによる年間九八万六、五〇〇円を下らない収入を得ることができたものということができる。そこで、就労可能年齢を六七歳まで(一八歳から四九年)として新ホフマン係数により原告の逸失利益を算出すると原告計算のとおり六三二万五、八二四円となるから、これをもつて逸失利益とする原告の主張は理由がある。

五  本件事故により原告が受けた精神的苦痛を慰藉すべき金額は、その症状、入通院期間、後遺症の部位、程度等からみて、二五〇万円とするのが相当と認められる。

六  以上を合計すると後述の弁護士費用を除いた損害額は九七二万五、八一二円となる。ところで、本件事故については原告側にも被告憲彦以上の過失がありその過失割合が六・五割であつたこと前認定のとおりであるから、被告らにおいて賠償すべき金額は右損害額の三・五割たる三四〇万四、〇三四円となる。そして、原告において自賠保険金一五一万円の支払を受けたこと当事者間に争いがないので、これを控除すると残額は一八九万四、〇三四円となる。

七  原告が訴訟提起を余儀なくされ、弁護士に委任して本訴訟に至つたこと原告本人尋問の結果と訴訟の経過にてらして明らかであり、日本弁護士連合会の報酬基準、本訴訟の審理経過、認容額等を考慮するとき、弁護士費用のうち被告らにおいて賠償すべき金額は三〇万円とするをもつて相当と認める。これを前記金額に加算すると二一九万四、〇三四円となる。

八  被告雪麿が被告車の保有者であることは当事者間に争いがないから、結局被告両名は各自原告に対し二一九万四、〇三四円および内金一八九万四、〇三四円に対する昭和四八年一〇月七日より完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払う義務があるので、原告の本訴請求は右の限度で理由があるからこれを認容し、その余は棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法八九条、九二条、九三条、仮執行宣言について同法一九六条に各従い、主文のとおり判決する。

(裁判官 斎藤清実)

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